美容師にもノルマがある?ノルマの内容やメリットについて解説!
サービス業で働く人から聞くことの多い「ノルマ」という言葉。この言葉には嫌悪感を覚える方もいるのではないでしょうか。何かと悪いイメージが多いノルマですが、実は業界特有のメリットもあるのです。この記事では美容師として働くときに課されるノルマについて、その内容やメリットについて解説します。
美容師のノルマの内容
ノルマとは元々はロシア語で各個人やチームに課された仕事の基準量のことを言います。法律的には労働者の義務は「労働に従事すること」だけとされており「結果を出すこと」であるノルマについては定められていません。
とはいえ、成果を出すことが評価の基準となり、給料に影響をしてくることからノルマが設定されるのが通常となっています。
美容師のノルマ
サロンに勤務する美容師は、多くはアシスタントとスタイリストに分けられ、それぞれに課されるノルマには違いがあります。ただ、人数が少ないサロンなどでは役職に関係なくノルマが課されることもあります。
・物販個数に関するノルマ
主にシャンプーなどを担当するアシスタントに設定されるノルマです。サロンで使う美容用品の販売個数や金額に対する目標値です。
・広告配布に関するノルマ
チラシやクーポンなど店先や店内で配布する広告やクーポンの枚数に関するノルマです。主にアシスタントに課されますが、美容師の人数が少ないサロンでは、スタイリストにもアシスタントと同様にノルマが課され、チラシ配りなどに従事することもあります。
・ヘアモデルのカット数に関するノルマ
アシスタントとして働く方が、スタイリストにランクアップする際の条件として設定されるノルマです。目標値は人数の合計のこともありますが、期間を通じて一定数をカットするというような目標値になることもあります。
・カット人数に関するノルマ
主にスタイリストを対象に設定されるノルマで、月間の合計人数を目標値にすることがほとんどです。
・指名客数に関するノルマ
主にスタイリストに設定されるノルマで、月間の指名客をカウントすることがほとんどです。ただし、最近では導入するサロンは少ない傾向にはあります。
ノルマがあることによるメリット
言葉だけを聞くと、厳しいイメージが先行して嫌悪感を覚える方もいるかもしれませんが、ノルマがあることによるメリットがあるのも事実です。
成長が早い
ノルマがあることによって仕事の目標が明確になり、成長が早くなるというメリットがあります。とくに固定客がまだ少ないサロンでは、待っているだけでは技術もなかなか習得できません。数値目標があることによって具体的な行動を決めることができ、成果につながりやすいのです。
目標を達成することにより給料があがる
ノルマがあるということは、成果に対する評価が明確になっていることにもつながります。評価は給料に直結していることが多いため、ノルマを達成することで給料アップへの期待ができます。
全体の一体感が高まる
個人だけでなく、店舗全体のノルマがあることによりスタッフの一体感が高まることがあります。同じ目標に意識が向かうことで、協力しあう雰囲気がうまれやすいのです。
ノルマのない美容室もある
とはいえ、ノルマがあることによるデメリットもあります。厳しすぎるノルマは仕事に対するモチベーションを下げ、職場の雰囲気を悪くすることもあります。雰囲気が悪く、物販ばかり勧めてくるサロンは、顧客からも敬遠される原因にもなります。
今では、このような悪循環から脱却するために、ノルマをなくしている美容院も増えてきています。ノルマがない美容院はどのようになっているのでしょうか。
オーナーの経験上からくるこだわり
美容院のオーナーになるには、別の美容院で技術を磨いてから独立することがほとんどです。さまざまな美容院を経験するなかで、厳しいノルマに苦しんだ経験があるオーナーの中には、自分のサロンではノルマを課さずに営業したいと考える方も多くいます。
人気が高い美容院
最近ではSNSやブログの発展により、個人の営業力に頼らず店舗として集客することもできます。インターネットなどをうまく活用することで集客して利益を出すことができれば、個人にノルマを課さなくても営業していくことができます。
イメージアップのため
美容師業界は、転職率が高い傾向があります。仕事そのものの厳しさに加え、ノルマがあることで美容師が離職することにつながっている状況があることも否めません。
慢性的に人手不足が続く業界で、できるだけ離職率を抑え、美容師を確保するためにもノルマを廃止する美容院も増えているのです。とくに何店舗も運営するようなグループ企業では、人材をより多く確保する必要があるため、ノルマを設定しないことが多くなっています。
まとめ
この記事では、美容師として働く方につきもののノルマについて解説しました。ノルマがあることによってモチベーションが下がったり、職場の雰囲気が悪くなったりなどマイナスなイメージもあります。
しかしノルマは、目標値としてのメリットを含んでいるのも確かなのです。サロンを選ぶ時にはノルマの有無にこだわることも必要ですが、自身の目指す働き方や成長の方向性と合っているかを考えたうえで判断することが重要となるでしょう。